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アートの新たな世界観を 追い求めていきます(2016年12月号 バロン吉元さん)

めがねに合わせてスタイルを決めています

めがね1バロン.jpg──バロンさんのメガネをお見受けしたところ、かなりの近視のようでメガネ歴も相当なものだと思います。

高校3年生の頃から掛け始めました。近視に乱視、そしてご想像のとおり老眼になっていて、ボクの目は全部入っている欲張りな目なんです(笑)。

──用意してくれたメガネコレクションを拝見すると、ラウンドタイプが目立ちます。好みのデザインなんですか?

今も昔も僕が掛けるメガネはほとんど変わっていないんです。昔は、セルロイドでしたが、素材がメタルに変わっただけで、丸メガネが僕の顔にしっくりくると思っています。

──メガネ歴もかなりなものでしょうから、メガネの酸いも甘いも体験されていると思います。

掛け始めた頃は、邪魔な存在でしたが、掛けなければ見えないというジレンマを感じたものです。それを一番感じたのは海での出来事。泳ぐのが好きで気がつけば沖の方まで泳いでしまい、浜がどの方向なのわからなくなってしまう。厄介者とはいえ長い付き合いですから、当然慣れていくわけで、いまではメガネに合わせて帽子やシャツなど身につけるものを選ぶまでになっています。それだけ大切なもので、むしろ身体の一部のような感じになっています。

──漫画は細かい作業が求められるだけに、遠近両用メガネだけでカバーできるものでしょうか。

やはり限界があると感じています。普段の生活では問題ありませんが、漫画を描くのは皆さんが想像する以上に細かいものを見て、描くことが要求されます。そんな時に出会ったのが、ヘッドルーペ。ルーペと言っても両手が使え、とても小さい文字でも良く見える。これには助けられました。いまは漫画よりも大きな1枚絵を描いているので、作品作りにおいては、メガネがいらなくなってもきているんです。

自分自身が一番楽しんでいるかも

キメバロン.jpg──現在は1枚絵の創作にウェイトが置かれていますが、やはり渡米が1つの転機になったのですね。

これが面白くてね。劇画が姿を変えて1枚の絵になったように映るかもしれませんが、内容的には絵に打ち込む姿勢に変わりありません。1枚の劇画を描いているような気持ちをずっと持っていて、その気持ちはより強くなっています。そうはいっても劇画そのものを描いていてはしようがない。新たな世界観をここに求め、ようやく形ができあがりつつあります。

──その流れがあって、キャラクターアートの会を組織されたと思います。やはり漫画家というより、芸術家としての顔を強く感じています。

アートの会は毎年1回展示会を開催し、今年12月で3回目を迎えます。漫画という世界だけではお目にかかることができない、多くの人たちと出会うことができます。また会員も画家、イラストレーター、デザイナー、工芸家などバラエティに富んで、僕自身が新鮮な感動や刺激を受けているほどですから、面白いですよ。是非足をお運び下さい

──またバロンさんは来年、「バロン吉元のペンネーム」を使い始めて50周年の節目を迎えるそうですが、もちろん生涯現役ですね。

50年という時代感をあまり感じていないんです。ついこの前漫画家になったような気もするし、柔侠伝もちょっと前に終わったような…。自分なりの納得の行く生き方、創作活動をしてきたから、時代を短く感じているのかもしれません。生意気なことを喋りましたが、きっとこれが独りよがりなのかも(笑)。もちろん来年は1つの節目でしかありません。旗振り役のアートの会はまだ3年目で、これからです。僕自身は大作を数点描いているところで、来年か再来年には完成させるつもりです。楽しみにお待ち下さい。

※プロフィール
ばろん よしもと
旧満州国生まれ、鹿児島県指宿市育ち。高校時代より画家を志し、上京。武蔵野美術大学西洋画科へ入学。大学中退後、漫画家・横山まさみち氏のアシスタントとなストーリー作りを学ぶ。絵に関しては、ファッションイラストレーターの長沢節氏、穂積和夫氏に師事。デビュー後、1960年代から70年代にかけて巻き起こった劇画ブームの全盛期を築いた漫画家の一人となる。代表作は「柔侠伝」シリーズ、「どん亀野郎」「殴り屋」など。一方、1980年の渡米を機に、漫画執筆と並行して、「龍まんじ」の雅号にて、絵画制作を始める。2003年、文化庁指名により第一回文化庁文化交流使としてスウェーデンへ赴任。現在に至るまで、国内外問わず展覧会を開催。(公社)日本漫画家協会理事、キャラクターアートの会 会長を務める。
オフィシャルHP:www.baron-yoshimoto.jp/

 

※全文は是非、本誌でお楽しみ下さい。

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