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目標だけがすべてではない(2017 9月号 小林祐希選手)

好きなサングラスに囲まれて

小林縦左2.jpg今回のインタビューは、小林選手がオフシーズンで日本帰国していた好機を捉えたわけだが、実は取材交渉をした時は渡蘭まで1週間を切っていた。こんな無謀なオファーにも関わらず、快く受けてくれたのは、後にも触れるが大のアイウェアファンでもあったから。「一番お気に入りのサングラスを沖縄で無くしてしまってばかり」と悔やみながらも、バッグの中から次々とサングラスを取り出すと表情は一変、ご機嫌に。1つ1つ手に取り愛おしく眺める姿が印象的だった。
「家に帰れば30本以上あるけど、今日はヘビーローテンションしているサングラスを選抜して持ってきました。ご覧のとおり、ディータばっかり。メイド・イン・ジャパンの繊細なモノづくりが好きで、気がつけば、ディータやトムブラウンになってしまう。元々、ティアドロップのデザインが好きだったけど、段々と好みが変わっていって、いまは細身で小さいデザインが気に入っているんだ。このサングラスたちはオランダに持っていくもの。現地は晴れれば日差しが強いけれど、ほぼ曇りか雨模様。毎日のように掛けているわけではないけど、晴れれば皆サングラス姿でテラスに出てビールをグイッと。僕もそんな1人でくつろいでいる。メッチャ、良いですよ」

モノづくりの視点で選ぶとは、本質を見極める目を持っているからだろう。先輩が掛けているサングラスを見て、サングラスを掛け始めたのは10代後半から。以来、ファッションアイテムとして欠かせない存在になっている。
「とかく日本人はサングラスを掛けることに抵抗感があるようで、また掛けている人を見れば格好を付けているとか、芸能人っぽいとか思いますよね。そうじゃなくて、単に見慣れていないだけだと思うんですよ。ファッションの一部だから、いつkobayashiめがね物.jpgでも掛けるのが僕にとって当たり前のこと。自分で最初に買ったサングラスがディータだったのは、先輩の影響があったけど、デザイン自体、他とは違っていて、よく見ればこんなところにまで細かなラインが施されていたりと、凄く良いサングラスやメガネばかり。サングラスはブランドで選ぶ傾向があると思うけど、僕はデザインであったり、フォルムであったり、素材の良さが選ぶポイント。しかもディータは欧米人に比べて鼻が低い日本人にも合う。掛けているだけでなく、こうして眺めているだけでも満足しちゃうんです(笑)」

一人の人間として認められるように

小林横右2.jpgまた日本滞在中は取材に次ぐ取材や講演会、その合間を縫ってのトレーニングと大忙しだったが、それには理由があった。「今日のインタビューも一昨日くらいに決まったんですよね、ムリクリ空けたんですよ(笑)。今回の帰国ではオファーをもらった仕事はすべて受けると決めていました。マネジメントを立てていないので全部、直。人間関係をつくりたいとの思いを抱いていたんです。だからギャラは一切不問。まずは僕という人間を知って欲しかったんです。その効果はしっかりと表れたようで、滞在時間も残り少なくなるほど取材等の依頼が増えてきました」と小林選手。
「今だから言いますが正直、怖い人と思っていました」と本音を話すと、「皆さんそう言うんですよね。こう見えても良く喋るし、おもてなし精神も旺盛で空気も読める(笑)。こういうキャラだからまずは使ってくれ、と。様々なジャンルの媒体の取材を通じ、僕をどう取り上げてくれるのか、それも見てみたかった。お金も大事だけど、お金が絡むときちんとした人間関係が築けない。そのお金も身につけるものとなると話は別。高いから買わないなんていっていたら一生良いモノに出会うことはない。たとえば僕が掛けているサングラスが10万円だとしたら、そこには10万円の理由があるということ。普通の人は10万円なんてあり得ないと思うけど、ちゃんと店に置かれ、買って行く人がいて、店が、そのブランドが成り立っていることを考え直すべき。似たようなデザインのサングラスはそれこそ1000円程度で売っているけど、一流のものを知ることは大切なこと。僕はそう生きてきたし、その見栄っ張り故に貯金ができない(笑)」

インタビューは終始、小林選手に主導権を握られ続けたが、それも心地良い時間となった。最後に今シーズンに向けての豊富を語ってもらった。
「昨シーズンは不本意にも9位と低迷してしまいました。ただ前半戦が好調だったので、その時の良さを活かして上位に食い込み、まずは5位を目指したい。この位置はヨーロッパリーグへのボーダーラインで、またチャンピオンズリーグに食い込める位置に付ければうれしい。個人的には、昨年はわずか1点のゴールだったので、5点は欲しいと考えています。僕自身が点を取っていくという感じではなく、またポジションにも左右されるけど、中盤からのミドルシュートやフリーキックで5点くらい決めれば、見えてくるものがある。『あいつシュートを持っているからもっと寄せなきゃ』と相手チームに思わせる。僕に対してガードが2人つくようになれば、スペースも生まれ攻撃がラクになる。僕が数字を持っていることで相手チームの脅威になること。そうなれば自動的にワールドカップも見えてくると思います。そうはいっても日本代表になるため、ワールドカップのためにサッカーをやっているわけではない。代表として活動する期間と比べるまでもなく、家族といる以上にチームメイトと一緒にいる時間は長い。そこを大事にできない選手は、どこにいっても通用しないと考えています」

profile
こばやし ゆうき
1992年4月24日、東京都東村山市生まれ。4歳の時からサッカーと親しみ、東京ヴェルディジュニアユースに入団し、2011年からトップチームに昇格して、19歳の時にはクラブ史上最年少キャプテンを務める。その後、ジュビロ磐田に移籍。J1昇格の原動力となる。2016年のキリンカップサッカーで初代表入りを果たし、同年11月のキリンチャレンジカップのオマーン戦で代表初ゴールを記録した。また昨年8月にはオランダ1部リーグのSCヘーレンフェーンに移籍。今年2シーズン目を迎える。

※ここで紹介しているのはほんの一部です。全文は是非、本誌でお楽しみ下さい。

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