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眼鏡旅情

大井(東京都品川区)

卵と鶏ではないが、この企画も眼鏡店が先か、旅が先か…。生命とこの世界がどのように始まったのかという哲学的な疑問に行き着くといえば大げさだが、旅情も大きな意味を持つところ。ところが今回は後に続く、眼鏡店をリクエストする読者の投書に助けられ、目的地に悩むことはなかった。今回の旅の目的地は品川区大井。よく知る町ではないが、町名にもなっている大井町駅は京浜東北線、東京臨海高速鉄道が乗り入れ、隣接して東急大井町線の始発駅を控えていることから、商業地であり、ベッドタウンとして発展を遂げていることは何となく理解している。そうなると、旅の情緒が薄れてしまいかねないので、ここは広域地域としての大井と捉えれば、南大井、東大井、そして埋立地の勝島も広義的に同エリアに含まれる。こう考えていくと、旅の目的地が見え隠れしてくる。海側の勝島エリアには大井競馬場やしながわ水族館をすぐに思い浮かべ、熱狂とともに生命の神秘と生き物たちの愛らしさに癒やされることだろう。

広島市南区(広島県)

秋と言えば、スポーツの秋。中でもプロスポーツと言えば、その代表的存在がプロ野球だろう。9月も過ぎればいよいよセパ両リーグ共に優勝に向かってひた走るころであり、セリーグで言えば広島東洋カープの優勝へのカウントダウンが始まっている。まさに今年の秋も、安芸が熱い。
そんな興奮に包まれた町を目指して広島へと向かう。今年は夏休みらしい休みに恵まれていなかっただけに、1泊2日の限られた時間とはいえ、実にありがたいこと。この旅情企画で4度目となる広島の旅であったが、また新しい発見が待っていたのだった。

蕨市(埼玉県)

チョコレートにまつわる思い出はある。何かといえばCMソング。「大きいことはいいことだ…」というフレーズ。いまから50年前のことだけに時代を映し出すものの、平成のこの世となれば隔世の感を覚えてしまう。いまは、小さくとも個性の輝きを求めているのかもしれない。そこで今回向かった先は、埼玉県蕨市。何しろ日本で一番小さな市であるからだ。

丹波市(兵庫県)

深夜放送で思い出すのは、キイハンター。どこがツボはまったのかはわからないが、陰謀を暴き凶悪犯を追い詰めるストーリーと個性派揃いの役者たちが、内容を理解せずとも格好良く、また自分が大人になったような気分に浸れたことが、子ども心を刺激していたのかもしれない・・・。また主題歌も印象に残っており、いまもフレーズを口ずさむことができる。その主題歌を歌っていたのが、今年天国へと旅立ってしまった、ドラマで津川啓子役を演じた野際陽子さんだった。インテリを気取るつもりはないが読書好き。中でも警察小説は好きなジャンルの1つ。きっとキイハンターが後の小説好きを育んでくれたのだと改めて感じている。まだ生を授けられているので一般的な旅に出るが、もう目的には決まっている。キャップの黒木鉄也役といえば、丹波哲郎氏。そう兵庫県丹波市だ。

伊那市(長野県)

梅雨といえば雨、雨といえば水、水といえば川と強引に接点も求めていく。川といえば、本誌の連載の1つに「川のささやき」がある。著者、坂東太郎氏の、「○○谷を後にする」と決まり文句だ。ここは氏のフレーズを拝借することにしよう。締めくくりの決め台詞であるが、旅人にとっては旅の始まりを意味する谷としたい。長野県の伊那谷だ。
 

下関市長府(山口県)

新元号がどうなるのかは、まったくわからないが、この2018年は別の意味で大きな節目の意味をもつ。奇しくもこの年は、明治維新150年にあたる。50年前の維新100年には、政府主催による記念式典が催されたというが、残念ながら旅人はこの時、まだ3歳と当時の模様を知る由もない。しかし2018年は、その150年と改元という大きな節目が重なることは間違いないようで、歴史的瞬間に立ち会えることを喜びたい。その明治維新150年に合わせて、にわかに活気づいている町といえば、明治維新の主導的役割を果たした、「薩長土肥」。悩みはどの県に向かうかだが、ここは現首相に敬意を表し、お膝元の山口県を選ぶのが良いだろう。

柏市(千葉県)

いつかこんな日が来るのではないかと思っていた。これまで全国各地を歩いてきたが、いよいよ旅人の地元、柏を紹介するときがやって来たのだった。
旅して歩いて来た地のほとんどが初めて訪れる場所であっただけに、有名な観光地はもちろん、生活感あふれる住宅地でも意外な発見の連続で、旅のたのシミ方を広げてもくれた。
さて、こんな旅人の感傷などは愚の骨頂。地元の人間が地元を紹介するという重責を担い、柏の旅に出ることにする。この地はテレビ番組で何度か紹介されているが、そこでランクインしたスポットは極力避け、地元目線を徹底していく。

横浜市中区(神奈川県)

春は出会いと別れの季節。別れのシーンはいろいろあるが、中でも船は格別な思いがある。そうだ、波止場へと向かおう。島国日本に波止場は数知れず。とはいえ、関東に住む身にとっては、ここを外すことは出来ない。浜風に誘われて横浜を目指す。

葉山(神奈川県)

コタツの中から這い出てきて旅の虫が向かったのは、春を一気に飛び越し、夏をイメージさせる代表格の海。季節を先取りするのが、ファッションの常というもの。海に囲まれた日本列島であるから、海に事欠くことはない。しかし海だらけであることが逆に作用して、目的地探しに難航していたところ、2月初旬に見たテレビ報道を思い出す。お気づきの方もいると思う。天皇、皇后呂両陛下が毎年のように避寒に訪れる、葉山御用邸で静養されている一コマだ。すでに両陛下は皇居へと戻られたことからも、2月はやはり春の訪れを感じることができるだろう。静かな春の海風を肌で感じようと、葉山へと向かった。

門真市(大阪府)

寒さ厳しいこの季節は、犬のように庭駆け回りたいところだが、どうしても猫になってしまうのは、年齢的にもしようがない。わが家の犬も主にしっかり似てしまったようで、長毛の犬種ながらストーブの前を陣取り、消火すればすぐにコタツの中で暖を取る。これがわが家におけるお粗末な風物詩となっている。とはいっても、新年であるから身も引き締まる思いもある。旅もまた然り。平成29年度の旅のスタートを飾るにふさわしい地を探していくと、1つのキーワードを思いつく。正月といえば門松。笑う門には福来たる。福につながる門。この一文字だけを目指す無謀な旅は、大阪府下の門真市だ。

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