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眼鏡旅情

東近江市(滋賀県)

滋賀県の県名の是非を問う世論調査が行われていた。折しも、この旅情企画を計画している最中であったから実にタイムリーでもある。日本一の湖、琵琶湖を擁しながらも、知名度が低いとは耳を疑うばかり。調査結果は予想通り、回答者の約73%が現県名に愛着を感じ、約78%が今のままでよい、とした。地元を愛する県民が多いことに、他県民ながらホッとする。またテレビの報道では、滋賀県を千葉県と言ってしまう方がいるとのこと。旅人が居を構える千葉県であるから、親近感を感じる旅になることだろう。
 

高槻市(大阪府)

古墳といえば、日本一の大きさを誇る、仁徳天皇陵をすぐに思い浮かべることだろう。古墳をキーワードに調べていくと、大規模古墳は圧倒的に近畿地区で占められている。仁徳天皇陵のお膝元を訪ねるのが定番となるが、そこは変化球でで攻めてみたい。
近畿地区の中でも大阪に集中していることから、ここにターゲットを絞っていくと、1つの古墳に目が留まる。それが今城塚古墳。初めて聞く古墳、しかも所在地は高槻市と、初物が2つ続く。実に楽しみである。
 

廿日市市(広島県)

6月から7月にかけては、本格的な夏を迎えるために必要な天からの恵み、梅雨となる。自然の営みに欠かすことができないが、旅ともなればできれば避けたいと思うのは旅人だけではないだろう。そこで降水量が少ない瀬戸内式気候に思い至る。こうなればすぐに白羽の矢が立てられる。安芸の宮島、厳島神社。何しろ日本三景の1つであり、世界文化遺産にも登録されている、まさに日本が世界に誇る貴重な遺産だ。

河内長野(大阪府)

発見こそが旅の醍醐味の1つであることを学んできた。他人様によれば取材と称した遊びと、皮肉をいわれることもある。甘んじてこの言葉を受けるが、後に続く眼鏡店で紹介する、バウムオプティクスオーナーの木下順愛さんの言葉を借りれば、前向きな公私混同。実にありがたい言葉を授かったものだ。もうお分かりの通り、今回の旅の目的地は河内長野だ。

足柄エリア(神奈川県)

ゴールデンウィークは、盆暮れと並ぶ人民大移動。そのため電車、飛行機は満員御礼で、高速道路は渋滞を余儀なくされる。人混みの中に身を置くこと、車の渋滞がとにかく苦手な旅人は、期間中、テレビ等で報じられる渋滞情報を家のテレビで眺めては、密かにほくそ笑む。これでは家族からの冷たい視線を受けるのは当然である。年を重ねる毎に家族との距離がこれ以上離れてしまうのは、やはり避けたいものだ。すでに半世紀も生きているだけに深刻な問題でもある。渋滞という悩ましき問題を解消することは叶わないが、ここで旅人がモットーとする安近短にスポットライトが当たる。すると、おあつらえ向きの旅の企画を思いつく。季節は端午の節句で、その象徴が金太郎。カメラを担いで足柄エリアの旅に出る。

松山市(愛媛県)

高校野球もこよなく愛する1人で、何となく西の学校が強いイメージを持つ。甲子園でのドラマは、それこそ星の数ほどある。その中でも思い出深いのが、69年の松山商×三沢の決勝戦。引き分け、再試合で見事、松山商が優勝を飾る。この名勝負は、あるランキングによると2位らしい。ちなみに1位を獲得したのは、06年と記憶に新しい、駒大苫小牧×早稲田実の決勝戦。納得のランキングともいえるが、今から半世紀近く前の決勝戦が2位を飾っているのは、同年代を生きてきた旅人にとってもうれしい限り。もう目的地は決まっている。愛媛県松山市だ。

宮崎市(宮崎県)

すでに3月、下旬ともなれば桜の開花が届けられる。季節を感じることができるのは自然だけではない。春の到来を告げる風物詩といえば、キャンプ。もちろんアウトドアレジャーのわけがなく、プロスポーツのキャンプインだ。2月に入ると各テレビ局は一斉に各球団のキャンプインを告げる。ひいき球団があるものの、ここはプロ野球ファンに徹して、旅人も2度目のキャンプインとして宮崎へと飛んだ。

館山(千葉県)

「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」この八文字を知る方は多いと思う。滝沢馬琴による里見八犬伝の不思議な珠だ。NHKで放映された人形劇、新八犬伝は、小学生の頃に欠かさず観ていた番組で、うっかりして観忘れてしまった翌日などは、仲間はずれにされてしまうほど皆が熱中していた。当時から南総とあるだけに千葉県が舞台であったことは知っていたが、辻村ジュサブローによる人形、八犬士の活躍ばかりに目が行っていた。
だが、この旅情企画で訪れた鳥取県倉吉市に里見家の墓所で手を合わせ、里見家そのものに興味を持つようになった。順序は逆になってしまったが、その歴史の一端に触れようと館山の旅へと向かう。

伊東市(静岡県)

無印良品なら格好はいいが、自他共に認める、無計画男。そんな旅人にも、何かを察知する感覚は少なからず持っていた。年末にはまだ早い11月、切羽詰まって動き出す年末の大掃除に先立って、部屋の片付けを始めたところ、押し入れの中から1冊のアルバムを取り出す。
掃除をはじめると、こんなところに、こんなものを置いていたのかと、しばし目を留めてしまうことがある。デジタル全盛のいま、写真アルバムはまさに思い出の品である。豪華な刺繍が施された表紙をめくると、想像していたとおりすべてがモノクロプリント。ページをめくっていくと、一枚の写真に釘付けとなる。
新幹線の車内で撮られた写真。家族4人全員が無邪気な笑顔を浮かべ写真に収められている。他人様に撮ってもらい、この笑顔は信じられない。何故ならば撮影も仕事の一部でありながら、撮られるが大の苦な性格だからだ。自分のことはさておき、一番気になっていたのは父親の笑顔だった。
昭和一桁生まれの頑固親父。しかも家庭を顧みることない仕事人間であって、顔を見るのは、朝食ぐらい。それだけに当時、家族で出掛けた旅行は、きっと本人にとっても楽しい一時であったと信じたい。すでに他界しているから知る由もない。当時旅人はおそらく4、5歳で、昭和40年代半ばだった頃と思われるが、随分前に母親に尋ねたところ、熱海への一泊旅行と聞いたことは、うっすらと覚えている。どうやら旅人の伊豆好きは、幼少期が原点であったことを、半世紀の歳月が過ぎたいま、理解することができたのだった。

甲州市(山梨県)

季節は冬に向かっている。年を重ねるごとに、寒さが見に堪える。子どもは風の子、もう遠い昔のことだ。だが寒さ機厳しい冬の前のお楽しみと言えば、紅葉と果物が頭に浮かぶ。その自然の恵みを求めて向かった先は、山梨県甲州市。勝沼地区の葡萄と桃があまりにも有名だが、すでに季節は過ぎ去っている。恵みの少ないこの季節だけに、柿は代表的な果物で、軒先に吊された干し柿もまた、日本ならではの風景として郷愁を誘うことだろう。

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