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仙台市若林区(宮城県)

花に癒やされる

津波の影響を心配していたが、車窓からは稲穂は黄金色に色づき始めた田園風景が広がり、日常を取り戻しつつあることを実感できた。さらに車を進めると、園芸・ベンチ.jpg大型ダンプが行き来していただけに、海浜公園らしき姿が見えた時は一縷の望みを託したが、護岸整備のため海岸に出ることは叶わなかった。
復興はいまも継続中であることを胸に刻みながら、若林区の中心地に戻り掛けた時、田園の中に美しく整備された植物園のようなスポットが目に飛び込んできた。ここは、仙台市農業園芸センターで、農と触れあう交流拠点。
市民農園が完備されているが、そのスペース以上にバラをメインとしたガーデンが整備され、市民の憩いの場になっていることだろう。バラの季節といえば5〜6月が代表的だが、誰もが知る人気の花だけに交配種が盛んで、四季咲きの品種がほとんで、秋の季節も様々な色の花が咲き、心安まる。震災後、再整備されこの春にリニューアルオープンしたことからも、これもきっと復興のシンボルの1つであると思う。

古の都に思いを馳せる

国分寺・本堂.jpg地下鉄東西線の駅名「薬師堂」に誘われる。駅から5分ほど歩いて行くと、歴史を感じさせる仁王門が出迎えてくれる。ここは奈良時代に創建した陸奧国分寺跡。地震や雷によって建造物は被害を被り、鎌倉時代になると衰退していったが、その後、政宗によって薬師堂や仁王門、鐘楼などを再建。市内最古の木造建造物の1つで、国の重要文化財に指定されている。
昭和30年から5年にわたる調査にによって、南大門、中門、金堂、僧坊など配置が明らかになり、かなり大規模な寺院であったことがわかったという。その昔、仙台の中心地はこの付近一帯であったと思われる。また仙台城を築いた保春院.jpg政宗は領内の土木工事を行い、この国分寺は中尊寺や瑞巌寺と並ぶ名刹再建の1つとしたようだ。
国分寺の重要性はもちろんだが、政宗にとってこの地は、特別な場所でもある。何故ならば、母義姫が眠る場所で、出家後の名、保春院の名をとった臨済宗の寺院が置かれているからだ。母の十三回忌にあたり菩提を弔うために創建した寺院で、ある時政宗は家臣に「死後このあたりに墓所を定めるように」と有名な逸話が残されているなど、母思いの一面をのぞかせる。

翼を広げ天から見守る

刑務所・横.jpg区名にもなった若林城跡に到着する。そこには石垣ではなく、日常生活とはっきりと区別するように、空に向かって聳え立つようにレンガの塀で囲まれている。城跡は現在、宮城刑務所に至っているのであった。
これでは、中に入ることは不可能。城であったことを示す、碑が建てられているだけで途方に暮れてしまう。誰もが近寄りたくない場所だが、これも旅の思い出の1つと、その象徴的なレンガ造りの塀を写真に収めようと歩いて行くと、刑務所作業製品展示場という看板を掲げた建物を見つける。
営業中のサインに誘われて場内に入れば、その名の通り受刑者による刑務作業品が展示販売されている。毎日の通勤で車内から東京拘置所(小管)を見ているが、実際の刑務所を間近に見るのもはじめてだったが、ここで販売されている製品を見ていくうちに、手作りによる温かみさえ感じてくるようだ。全国の刑務所から集められた製品が並べられているが、ここ宮城刑務所では主に紙製品や布製品がつくられているらしい。
愛煙者の1人だけに、タバコ入れの布袋を買い求めると、係の方が壁に飾られている写真を指しながら、「立派なまつでしょ」と話しかけてきた。この松は、蟠龍の松と云い、枝は両手を広げるように伸び、その長さは何と両翼でゆうに40mを超えるという。それは是非ともこの目で拝みたいと思い、一般公開しているのかと尋ねると、どうやら年に1回ほど見学会が行われているようで、それ以外は、塀の中の住人になるしかない、とブラックジョークで返してくれた。また政宗お手植えの国の天然記念物である臥竜梅もあるという。
何とも罪づくりな場所であろうか。とはいっても、その姿は写真で見るだけでも圧巻の一言。実物は、きっと罪を悔い改め、更生を誓う受刑者にとって大きな希望になっていることだろう。

この町のおすすめショップ

メガネにかける一途な想い 【保春院前丁 御眼鏡細工所 MeisterHaus髙畑 仙台】

ze内観メイン正.jpg以前から気になっていた眼鏡店があった。その店とは、MeisterHaus髙畑で、レンズの取り扱いは、カールツァイス製のみ。加えてフレーム、サングラスにおいては、クロムハーツ アイウェアに特化するなど、コンセプトショップと呼ぶにふさわしい。秋田市で展開していたことも興味をそそられる1つの材料になっていたが、今から2年前、仙台市に新たなショップを若林区にオープンさせたこともあり、今回の取材を後押しすることになった。
仙台駅から地下鉄東西線で二つ目の連坊駅で下車。10分程歩きそろそろ所在地に到着しているはずだが、辺りは商店街を形成しているわけでなく、変哲もない住宅地が形成されている。注意しながら周囲を見渡すと、ステンド調のガラスが埋め込まれたウッドのドアが目に止まり、その先の壁にMeisterHaus髙畑 仙台のサインを見つけることができた。
何故、仙台進出だったのか。これは地方創生が声高らかに掲げられながらも、地方の衰退という現実があったからだ。「年齢的にも最後のチャンスでした。ある金融機関の方が、『事業をされている経営者の多くは、仙台での事業展開を望んでいるんですが、地方ならではのしがらみもあってなかなか実現できない。髙畑さんには、その目標であってほしい』と送り出してくれたんです。それ以前に、理解を示してくれた家族に感謝です」としみじみ語る。
秋田にある店は主を失ったかといえばそうではなく、髙畑さんがかかりつけの美容師が独立し、ここで開業。また店内の1/3ほどが眼鏡スペースとなっており、いまも健在。地元の顧客からのリクエストがあれば、秋田に戻りメガネ調製するなど、本店であり続けている。
いわずと知れた東北第一の都市、仙台とはいえ、同店の立地は前述したとおり、恵まれた商環境とは決していえない。しかも縁もゆかりもない。「クロムハーツのショップは一等地に構えながら、一区画外れた場所にあるんです。これは流行に左右されず、自らが時代を創り出していく姿勢を大切にしていると、僕なりに解釈した結果です」と話す。

わずか2年で早くも仙台の地にしっかりと受け入れられているほか、業界人たちからも温かく迎え入れられているようだ。地元の眼鏡店の有志は眼科医との勉強・交流会を実施しており、その会から誘いを受けることに。「本当にありがたいことです」と髙畑さん。ビジョンケアへの取り組みと販売姿勢が認められたからに他ならないだろう。ze外観.jpg
店内に設置されているレンズメーターや検査機器はカールツァイス社製、また加工機もウエコーブランドと、検査・加工機器にまで惜しみなく投資している。
「国産メーカーと比べ機能も価格も大きく上回りますが、最高のサービスを提供し、満足度を高めるためには必要なこと。カジュアルメガネとは対極にありますが、1000人のうち1人でもメガネの価値が届けられるならうれしいこと。そんな方々と共にアイライフを歩み、サポートしていきたいんです」と髙畑さん。これも眼鏡店の良心の1つだろう。

※全文は是非、本誌でお楽しみ下さい。

SHOP DATA

zeサブ縦4.jpg保春院前庁 眼鏡細工所
MeisterHaus髙畑 仙台
住所:仙台市若林区三百人町1-4
TEL:0120-147-966
営業時間:11:00〜不定時
定休日:不定休
HP:czmh-takahata.wixsite.com/takahata
取扱ブランド
カールツァイス正規取扱店、クロムハーツ アイウェア正規取扱店

右はオーナーの髙畑美穂さん

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