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葉山(神奈川県)

絶景は続くよ、どこまでも

裕次郎.jpgいくら空気が澄んでいる季節とはいえ、時間の経過によっていつまでも富士山を眺められるとは限らない。葉山には有名な海岸が控えているだけに、異なるアングルから富士の絶景を楽しむことができるはず。そこで次に向かったのは、わずかばかり南下したところにある森戸海岸で、このエリアには源頼朝が源頼朝が勧請した神社、森戸神社も鎮座。訪れてみれば、一粒で2度おいしいどころか、3度おいしいスポットでもあった。
頼朝が源氏再興の祈願をした三嶋大社の分霊を勧請して創建された森戸神社は、「吾妻鏡」によれば、頼朝が別邸を建て、流鏑馬、笠懸などの武事を行ったとされている。旅の安全を祈願して海側に出れば、社殿の裏手には、頼朝が衣笠城に向かう途中、森戸の浜で休憩した折、岩上の松を見て「如何にも珍しき松よ」とほめると、出迎えた和田義盛が「千貫の値ありとて千貫松と呼びて候」と答えたという、千本松と出会うことができる。さらに海岸に下りる階段の踊り場には、どこかで見たようなブロンズ製の顔がはめ込まれた記念碑が。
この碑は、葉山と縁の深いことで知られる、石原裕次郎記念碑。さらに海上に目を移せば、氏の三回忌に伴い兄慎太郎氏が基金を集めて建設した、裕次郎灯台が、海の安全を見守っている。先の富士山、江ノ島に加え、裕次郎灯台がアングルに収まり、絶景はさらに続いたのであった。

昭和の思い出が

御用邸.jpg南の終点に来たことから、今度は北上する旅となる。すぐ近くに大浜海岸を擁する葉山公園があったことから、ここに車を停めて砂浜散歩を決め込むことにしよう。平日とあって、ほぼ誰もいない海で、葉山の海を一人占めしながらの砂浜散策は格別の時間となる。延々と続く砂浜だが、ところどころに岩場もあり、海では漁と釣り船の姿、そしてまだ富士山を眺めることができ、飽きもせずに歩は進んでいく。しばらく歩いていくと、岩壁の上に監視施設があり、右に目を移せば高い塀が姿を現した。ここが葉山御用邸だったのだ。
しおさい公園は、葉山御用邸附属跡地に開設されたもの。大正天皇が崩御され、昭和天皇が皇位継承された地であり、いわば昭和発祥の地といえるところ。入園料を納めて園内散策となるが、まずは葉山しおさい博物館を見学することに。エントランスには、博物館の趣を異にする重厚な木造建造物に目が惹かれる。これは旧御用邸付属邸の御車寄せを移築したもので、この公園施設は昭和天皇の歴史の1ページに触れることができるのだった。
また館内の地下には、昭和天皇が採取した海洋生物の標本や論文なども所蔵されるなど、昭和天皇の印象的なメガネのお姿に思いを馳せるとともに、すっかり遠い昔になったてしまった青春時代の思い出が甦ってくる。しおさい.jpg
昔を思い出すのは、年を重ねたことを裏付けることではあるが、思い出したくもない過去ばかりよりはましで、まして思い出すことすらできなくなってしまえばお終いだ。まだ人生の半分以上を昭和に生きた旅人も、あと数年経てば平成が上回ることになる。
もはや昭和は遠くになりにけり。時は平等に流れ、時間に逆らうことはできない。しかし退化のスピードを遅らせることくらいは許してほしいものだ。そのためには昭和の歴史、まして皇室の歴史にも触れることができる葉山は、貴重な存在。自然の美しさも含め、刺激を求めて幾度となくこの地を再訪しようと、空をオレンジに染め上げ、海上に一条の光を落とす夕陽に向かって誓うのだった。

この町のオススメショップ

ひと手間を掛けて届ける快適アイライフ 【GLASSES SHOP KURISAKI】

クリ内観メイン.jpg相模湾に浮かぶように聳え立つ霊峰富士山を海岸から十分に堪能した後、今度は目線を同じくして望もうと丘陵地に向かえば、そこは住宅地や商店街、別荘などの生活空間が広がってくる。平地の少ない葉山の土地柄ともいえるが、葉山御用邸からも程近い一色地区に通り掛かると、ロッジ風の建物が集積した一画に目が止まる。ロスの郊外にあるような小規模なモールをイメージさせる、かやの木テラスといわれる場所で、個性的なショップが出店しており、ここにGLASSES SHOP KURISAKIがある。
すべてのショップがウッドデッキを備えているとはいえ、眼鏡店としてはやはり新鮮に映ってしまう。期待感を膨らませながら店内に足を踏み入れれば、空間を十分に持たせたスペースに絵画やグリーンが飾られる中、数々のアイウェアが作品のようにプレゼンされて、すぐに居心地の良さを感じてしまうことだろう。もっとも、オーナーの栗﨑圭一さんの人柄に触れれば、その心地良さを体現していることがわかる。
オープン当初は、幅広い層をカバーする商品構成としていたが、10年前のリニューアルを機に、アイテムの見直しを図る。既存の流通ルートは異なる、新たなアイテムをセレクト。「お客様の装いの幅を広げてくれるセレクトを心がけていますが、他にないものが見られるのが良い、といわれることを大切にしていきたいんです。そして僕自身がセレクトした好きなコレクションに共感していただけるのなら、こんなクリ内観-縦3.jpgにうれしいことはありません」と栗﨑さん。このチャレンジは顧客にとっても新たなメガネの価値観を広げ、加えて新たなメガネファンを増やしているようだ。
「10代後半の方が、気に入ったメガネを見つけ、『いまはお金がないので、バイトをしてお金を貯めてまた来ます。取り置いてくれませんか』と。半信半疑でしたが、忘れかけていた数カ月後に、笑顔を浮かべて店にきてくれたんです。メガネへの想いの深さに触れ、身も引き締まる思いです」と話してくれた。
アイウェアという装いの提案はもちろん、メガネの不変的なテーマである、ビジョンケアへの取り組みを外すことはできない。「いま技術はある程度均一化されてきていますが、メガネの良し悪しは微妙なさじ加減が見え方に直結する大きな要素だと思います。職種やライフスタイルに合わせながら、その方の見る好みが反映されてこそ、快適なアイライフが提供できると考えています」と話してくれた。

SHOP DATA

kuriおすすめメガネ.jpgGLASSES SHOP KURISAKI
住所:三浦郡葉山町一色1180-2
TEL&FAX:046-876-0733
営業時間:10:00~19:00
定休日:不定休
ブログ:http://kurisaki-hayama.petit.cc/
取扱ブランド
PADMA IMAGE、design naturell、NOVA、DUN、glassuiなど

オーナーの栗﨑圭一さんと長男の歩さん

店長のおすすめモデル
上:glassui Lana
中:design naturell DN230
下:PADMA IMAGE Shichi-San

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