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下関市長府(山口県)

いざ出陣

高杉晋.jpg山口には、松下村塾に代表されるように、維新の志士たちを輩出した地である。萩に向かうのが自然な流れだが、門下生たちの活躍があってこそ維新が成し遂げられたわけで、ここでは1人の志士のゆかりの地を訪ねることにした。
松下村塾の門下生には数々の偉人がいるが、27歳という若さで生涯を閉じた高杉晋作。松下村塾の言わずと知れた四天王の1人で、久坂玄瑞と並ぶツートップの1人でもある。その高杉の大きな功績の1つが、奇兵隊の結成。伊藤俊輔(博文)らを率いて挙兵をしたのが、功山寺。下関市の東方に位置する長府にある。
山門をくぐと正面には歴史を感じさせる本堂が、まさに堂々とした姿を見せている。何しろ鎌倉時代の創建で、唐様建築の美しさをたたえる本堂は、我が国最古の禅寺様式で、当然のことながら国宝に指定されている。
この建築美に加えて、ここ功山寺は数々の歴史の舞台になったことでも知られる。その1つは毛利元就に追われた大内義長が自刃した場所。もう一つが、高杉晋作による、回天義挙といわれる功山寺での挙兵。このクーデターにより長州藩は倒幕に統一功山寺本堂.jpgされ、幕府軍との戦いで勝利を収め、日本の近代化の扉を開くことになる。しかし、この戦いのあと結核を患い、明治の時代をみることなく、27歳でこの世を去ってしまった。
「おもしろき ことなき世を おもしろく…」。晋作の辞世の句はあまりにも有名。戦争のない時代に生きることができる幸せを感じながら、この平穏な時代にこそ、心の持ち方を考えなければならないと、境内に鎮座する晋作の挙兵像に手を合わせる。

国民的英雄との出会い

乃木夫妻.jpg乃木大将は、1849年11月11日、長府藩藩士、乃木希次と壽子の3男として、江戸の長府藩上屋敷で生を受ける。その後、藩主の跡目問題に巻き込まれ、江戸を離れ長府に戻り、16年間をここ長府で過ごし、その旧宅が神社の一画に復元されている。
また乃木大将といえば、日露戦争が思い出される。旅順を攻略したものの、多くの兵士を失い、国民の批判を浴びることになる。しかし大国ロシアに勝利すると、戦士した兵士の中に2人の子息がいたことから、その涙でむせる乃木大将の姿は、戦争の悲運を象徴する将として映り、一転、多くの国民から慕われることになる。
もっとも乃木大将の活躍というより、人間性は日本以上に諸外国からの賞賛を受ける。それは降伏したロシア兵に対する寛大な処置で、ドイツやフランス、イギリスなどから勲章が授与されたほどだ。また乃木大将が戦争に勝利したといっても、多くの兵を失った責任は消えることはなかった。明治天皇に自らの命を絶って罪を償いたいと奉上するも、天皇は「どうしても死ぬのであれば、朕が去った後にせよ」と踏みとどまらせたという。
明治天皇の崩御は全国民が悲しんだが、やはり乃木大将にとってはこれ以上の悲しみはなかったはずだ。大葬が営まれたその夜、東京赤坂の自宅で夫人の静子さんと自刃してしまうのだった。乃木夫妻の葬儀には十数万人が参列したとされ、その中には多くの外国人も参列したことから、世界葬ともいわれるほどだったという。

古江小路ではきっと勇ましい姿の高杉晋作の姿が、また横枕小路では幼き乃木大将が通った姿を思い起こさせる景観が、しっかりと残されていることに感謝ことにしたい。間もなく明治維新150年。自然とこんな言葉を口ずさんでしまう、おいでませ 山口へ。

この町のおすすめショップ

顧客思い一色に染まる 【めがね工房ノエル】

ノエル内観メイン.jpg昭和レトロ漂う長府商店街の中でも、ひときわ元気印のショップとして、地域の視力を支え、アイファッションという楽しみを広げているのが、めがね工房ノエル。商店街の特性からきっと長く営業を続けているかと思えば、昨年末で10周年を迎えたとのこと。もっともオーナーの一色信男さんは、まもなくキャリア40年となるベテランだ。カメラ好きで同じ光学系ということから、メガネ業界の道を歩むことになる。市内を拠点とするチェーン店で眼鏡調製のキャリアを積み、加えてグループ企業に籍を移してBtoBを担当するなど、業界を横断的に歩いてきた1人でもある。
それだけにアイウェアに関する情報をいち早く掴むようになり、メガネへの想いをより強く抱き、その心ときめくようなアイウェアの世界観を多くの人たちに触れてもらいたい、との思いを募らせ自身のショップをオープンさせた。もっともそれ以上に大切にしていたことは、顧客に対する責任。長男の優也さんが後を継ぐことなり、「私一代で終わらせてしまっては、お客様にご迷惑をかけてしまう」と一色さん。
しかも一色さんは、下関市と対極となる岩国市の出身。地域に対する貢献も単にビジョンケアにとどまらず、地元ボランティア組織、Dyunamoに所属し、城下町を灯りで包む、キャンドルナイトを企画するほか、長府盛り上げ隊の事務局として、地元以上に町の活性化を見据えてもいる。加えて夫人の美佐子さんは、日本刺繍の大家、草乃しずか氏に師事した1人で、店舗2階で刺繍教ノエルサブメイン.jpg室を開講するなど、文化交流の一翼も担っている。
一色さんの思いの詰まったショップは、気軽に立ち寄りやすい外観、そして店内に入れば、西洋のアンティーク什器、鏡など揃え、心安まる空間を演出。気になるアイウェアに関しては、都心とタイムラグを一切感じさせないコレクションを揃え、アイウェアという楽しみ方を発信していることが伺える。十分なラインナップに映るものの、「私自身がメガネのコレクターでもあるんです。10年という時が過ぎましたが、メガネに対する愛着は現在進行形です」と微笑む。
また不自由な人には送迎サービスを実施するなど至れり尽くせり。たくさんのメガネに触れてもらうことはもちろんだが、「実際、お宅に訪問させていただくことで、ここで暮らす方々の環境をつかむことができ、それぞれの視環境に合わせたメガネを作ることができるんです」とも。まさに顧客思い一色に染まったショップということか。

SHOP DATA

ノエル商品.jpgめがね工房ノエル
住所:下関市長府中浜町6-14
TEL&FAX:083-250-5460
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
HP:noelfactory.com/
取扱ブランド
lafont、OAKLEY、BARTON PERREIRA、AKITTO、Yconcept、Parasite、Persol、Dragee、COMTESSE、CAZAL、Masaki Matsusima eyesなど

店長のおすすめモデル
上:BARTON PERREIRA Betty
中:lafont VENDOME
下:Y concept V302W

代表の一色信男さんと長男の優也さん。優也さんは補聴器も担当してるが、シニアたちのアイドル的存在になっているとか。

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