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蕨市(埼玉県)

歴史に彩られた町

城跡碑.jpg成年式.jpg日本で一番面積の狭い蕨市。ということは、いつものお決まりのパターンである車を利用した旅でなく、ここは自身の健康のためにも、徒歩による見て歩きを決行した。もちろん現地までは電車を利用するが、編集部の最寄り駅、御徒町からは京浜東北線でわずか30分弱。乗り換えの必要もなく、下車駅も困ることはない。市内にある駅はJR蕨駅だけなのだ。
はやくも小さいならではの恩恵を受けることになるが、蕨市をイメージさせるのは、都心のベッドタウンというイメージしか持ち合わせないことから、地元観光協会の情報をチェックしていると、江戸時代には中仙道の宿場町として栄えたことを知り、その情緒に浸ろうと中仙道を目指していく。
すると、壕のような池を持つ小さな公園として整備されているので散策すると、園内には「蕨城跡碑」が建立されている。ここは南北朝時代、足利一門の渋川義行によって築城。北条氏綱による攻撃で破壊され、その後、江戸時代を迎えると、徳川家の鷹狩り用の御殿として利用されたという。
また園内には、裸婦のブロンズ像が建つ。近付いてみればそこには「成年式発祥の地」とある。
実は日本のおける成人式の形態は、戦後間もない昭和22年、蕨市(当時は蕨町)がで行われた「成年祭」をルーツとしていたのだった。蕨市は第二次大戦では3回にわたりアメリカ軍の空襲に見舞われ、熊谷市に次いで県内で2番目となる大きな被害を被ってしまった。こうした時代背景の中で、当時の蕨町青年団長だった高橋庄次郎が旗振り役となり、時代を担う若人に明るい希望を持たせ、励ますことを目的に青年祭が企画されたという。ここは蕨は平和への願いと地球の未来を同時に見つめ続ける町だったのだ。

中仙道屈指の城下町

本陣跡.jpg30年以上前の成人式を思い出しながら、城跡公園を後にして再び歩き出すと、往時の宿場町があった旧街道に辿り着く。まずは宿場町のメインとなる本陣を訪ねてみる。ほぼ中央に位置する本陣の姿は、一部だけ復元されている。やはり都心に近いのでこれもしようがない。しかし蕨宿は、埼玉県に入ったことを告げる中仙道第2の宿場町。当初、板橋に次ぐ宿場町は浦和であったが、両宿の距離は約15㎞と長く、この間には戸田の渡しもあったことから、蕨宿が設けられたという。その規模は浦和、大宮を凌ぐ大宿だったとか。
それを物語るように、復元された本陣には、主要休泊一覧が展示され、そこには尾張大納言、紀伊大納言と御三家、ここで休息されたことを今に伝えている。

宿場町のメインストリートから外れた場所にも見どころがかくされている。その1つが北側ににある、三学院。京都の新義真言宗智山派総本山智積院の末寺で、正式には金亀山極楽寺三学院という。市内で一番大きな寺院で、本堂も迫力もので三重の塔も建立されるなど、腰を掛けてゆっくりとその姿を眺めてしまう。三学院・地蔵アップ.jpg
この寺院は、とっておきの御利益に預かれる。それも本誌的にもピッタリといえば、ご想像のとおり目の御利益スポット。数体のお地蔵さんが安置され、その中に通称「目疾(めやみ)地蔵」がある。万治元年(1658年)年に念仏講を結んだ13人によって、「この世」と「あの世」の安楽を願って造られたといわれている。目疾地蔵の顔をみると、目の周りが何かに塗られている。その正体は味噌。江戸時代の頃から眼疾病地蔵を参拝する際に、眼病平癒の願い込めながら目に味噌をぬると、病気が回復し、また眼病予防を助けてくれるという。どうして味噌なのかは不明だが、目は脳と結ばれており、脳といえば脳みそ…、呆れてしまう親父ギャグはさておき、いまもしっかりと目に味噌が塗られているだけに、その御利益は相当なものだろう。いまのところ目の病気はないが、元気よく進行中の老眼の速度を抑えて欲しいと手を合わせた。

この町のおすすめショップ

もてなしの心を添えたトータルアイケア 【アオイノメガネ】

ao内観・メイン.jpg地元蕨市で約半世紀にわたって営業してきたマルサンメガネが今年1月、アオイノメガネとして新たな歩みを始めた。リニューアルといえば期待と不安が同居するもので、これは顧客も同じ。まして歴史を刻んだショップともなれば揺れ幅は大きくなるものだが、あえてショップ名も変更してのリニューアルオープンだけに、ショップの強いメッセージを感じることだろう。
店長の古田 茂さんは、眼鏡専門学校で眼鏡学を体系的に学び、大手眼鏡店チェーンで修業を積んで、父親が営んでいたマルサンメガネに入る。眼科医の信頼も厚く、ほぼ毎日のように眼科で検査を手伝っていたが、「いまはスマホやパソコンなど近用重視の生活が世代を超えて広がっており、常に目は緊張を強いられています。これまでの経験から体調が整っていなければ、快適なメガネは提供することができないと思います。しかも五感の中で視覚から得る情報は87%と言われているので、その使命はより強くなってもいます」と古田店長。ワンランク上のライフスタイルを提供したい、との願いが込めている。
それを体感するのは、ショップそのものから感じられるはず。駅前ロータリーの一画にあった前店舗から少し離れた場所に移転した店舗は、南仏にあるような小粋なショップをイメージさせ、店内に入れば自然光がたっぷりと注がれ、アンティークな什器も相まって、身も心も癒やされリフレッシュしてしまうかのよう。しかもこれまで感じたことのないような、香りにつ包まれる。実はアオイノメガネでは、アロマケアによる身体のリフレッシュも提案している。
「見ることと同じように香りは脳に直接的に訴えるものなんです」と話すように、快適な生活に欠かせない体調管理の一環としてアロマグッズも取り扱う。「感情をおだやかにしたり、気持ちをリセットしたりと香りもまた、生活に密着するものだと考えています。実は僕の趣味の1つでもあり、レンズ加工時の異臭を効果的に抑えてもくれるんです」と笑う。
気になるアイウェアに関しては、セット販売とは決別するなど、コンセプト通り、生活者のワンランク上のライフスタイルを徹底。「価値あるものを理解している方に応え、またその価値観を上回るアイテムを提案し、仕事ao横アロマ.jpgや趣味、生活そのものを豊かにできるお手伝いをさせていただきます」と古田店長。
さて、店名の由来を伺うと、古田さんの長女の名前、葵ちゃんからとったという。何でも前店舗からの看板娘であったらしく、取材時も訪れる顧客に対して独特な愛敬を振りまく。豊かなライフスタイルを支えるトータルアイケアは、古田ファミリーのもてなしの心を添えて届けられる。

SHOP DATA

アオイおすすめ.jpgアオイノメガネ
住所:蕨市中央3-14-17
TEL&FAX:048-431-3310
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
HP:aoinomegane.com/
取扱ブランド
MYKITA、AKITTO、JAPONISM、BCPC、OAKLEY、KAMURO、VioRou、OLIVER PEOPLES、Silhouette、Line Art、Amiparisなど

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